「うちの子、早すぎない?」「これって、ふつう?」―思春期前後のお子さんのママの疑問にお答えしました
第3回「女性のからだのワーク」を開催しました
11月2日は、WACCAにおける「女性のからだのワーク」の日。もう3回目を迎えます。
今回のテーマは、「ママが知りたい男の子の”性”」でした。これから思春期を迎える、あるいは思春期真っただ中のお子さんをお持ちのママが集まり、一緒に学びの機会を持ちました。
家庭で包括的性教育を実践するために
包括的性教育とは、「科学的に正確であり、実際的で客観的な情報を提供することによって、年齢に応じて、文化に関連させて性や関係性について教えることである。その人自身の価値と態度を探求し、意思決定し、コミュニケーションをとり、リスクを削減するためのスキルを獲得する機会を提供すること」と定義されています。
提供の場は、学校であり社会であり、時には家庭でもあります。「科学的に正確であり、実際的で客観的な情報」を提供できるよう、自分自身の知識も正しくブラッシュアップしましょう。
今回、皆さんに情報提供をするにあたって、最初に確認したことは次の3つです。
- 性と生殖は、科学的に語ろう
- 性と生殖の健康を尊重しよう
- 性の多様性を知っておこう
性と生殖の健康とは、リプロダクティブヘルスと言われることもある概念です。
「人間の生殖システムおよびその機能と活動過程のすべての側面において、単に疾病でない、障害がないというばかりでなく、身体的、精神的、社会的に完全に良好な状態であること」と定義されています。
性の健康は基本的人権であり、性の健康に関する権利として、私たちは安全で満ち足りた性生活を営むことができ、生殖能力を持ち、子どもを持つか持たないか、いつ持つか、何人持つか…などを自分自身で決める自由を持っています。
性には、身体の性、性表現、性自認、性指向という複数の要素があります。これらすべての要素において、「男か女」のように簡単に二分できるものではありません。身体の性も含めて、あいまいな部分があったり変化もありえる、グラデーションだと考えましょう。
そして、それをありのままで受け止めましょう。
身体の性・性表現・性自認が一致していない、性指向において少数派である、という性の多様性に関する差別や、女性であるというジェンダーによる差別をなくしていこうという姿勢も包括的性教育に含まれます。
ポジティブに、「成長したね」と受け止める
UNESCOが発表した包括的性教育のガイダンスでは、5-8歳ごろに生殖器官を含めた自分たちの身体の名前と機能を知ることは大切だとされています。
早すぎることも、特別なことでもありません。この頃でも、性や生殖器官に興味を持つことは自然であると認識しておきましょう。
そして、これから迎える思春期が、肉体的にも感情的にも変化する時期であることを伝えていきましょう。
9-12歳になれば、いよいよ身体の変化が分かりやすくなってきます。
この頃には、女性の体は月経周期の間に排卵し、男性の体は精子を作り射精し、それらは共に生殖に必要であることを知っておいてほしいと思います。
そして、月経、勃起・夢精などの性的反応が正常な発達過程でおこるものだということを伝えましょう。子どもたちは自分の身体の変化に戸惑っているかもしれません。ポジティブな態度でサポートしてあげましょう。
また、身体の衛生を保つことが重要であること、月経のケア(生理用品の扱いだけでなく、月経期におこる症状なども含めて)などに関する知識も必要になります。
それらの知識をもとに、自分の身体の変化、周りの変化、多様性についても受け止める土壌を作っていきましょう。
科学的で正確な情報を手に入れる
具体的な情報については、日本産科婦人科学会が監修した健康手帳(HUMAN+)も参考になります。
興味がある方は、こちらからご覧ください。