ワークライフバランス。ワーク”サイクル”バランス。
4月19日の「女性のからだのワーク」は、新長田のヨンバンカンニカイで開催しました。
夕方開催ということもあり、お仕事帰りの女性も参加してくれました。テーマは、「女性の働くを応援する健康講座&相談会」です。
後半は、軽食をとりながらのワークショップ。
初対面の人も多かったのですが、和気あいあいとお話しすることができました。「困っているの、私だけじゃないんだ」「がまんしないでいいんだ」という気付きを共有できたことが最大の収穫です。
ワークライフバランスは難しい
働く女性は増えている。しかも多様に。
厚生労働省が公表している働く女性の実情(平成29年版)によると、働く女性の数は毎年増加しています。同時に、働きながら妊娠・育児を経験する女性も増えています。
また、女性は非正規・短期間雇用も多く、多様な働き方があると言えるでしょう。
しかしながら、このような変化に対して、社会の対応はまだ遅れています。
たとえば、働く女性に対して、法令では以下のことが保障されています。
- 男女同一賃金の原則
- 産前産後休業
- 危険有害業務の就業制限
- 坑内労働の就業制限
- 生理休暇
でも、これらの休業制度や就業制限で守られている「母性」は、女性の抱える問題のごく一部でしかありません。
また、「くるみん (次世代育成支援対策推進法に基づく)」「えるぼし(女性活躍推進法に基づく)」など働く女性の職場環境を整えるための認定制度がありますが、その恩恵にあずかれる女性は多くはありません。
女性が働くときに悩むことも、さまざま。
実際、女性が働くときに悩むことは、多種多様です。
- カラダのこと
- ココロのこと
- 仕事そのもの
- 仕事と家庭の両立
これらの悩みを抱えて、働きにくさ、生きづらさを感じている女性が少なくないことは、ワークにおいてもたびたび痛感させられます。
ワークライフバランスと言われても、その実現にはいくつものハードルがあります。
また、それぞれの置かれている状況が異なるため、画一的な対策で解決できるわけでもありません。
ワーク”サイクル”バランスを整える
今回のワークでは、女性特有のカラダの問題に焦点を当ててお話ししました。
なぜなら、そこには自分だけでできる、そして自分だけができる対策があるはずだから。
月経のしくみについて学ぶ
月経(生理)に関しては、Mimosaの講座でも何度かお話してきました。
月経のしくみについて、そのトラブルについて、過去にお伝えしたことから復習してみましょう。
- 月経のしくみについて:素敵なスペースで、月経のしくみについて解説しました
- 月経痛と月経前症候群について:生理痛を我慢する前に、知っておいてほしい生理のこと
- 月経前症候群について、もう少し詳しく:病気を知って、周りに知らせて、PMS(月経前症候群)を乗り切っていこう
PMS(月経前症候群)かどうか見極める
PMS(月経前症候群)については、最近はメディアも取り上げるようになってきたので、聞いたことがあるという方も多いかと思います。
では、自分がPMSかどうかを意識したことはありますか。何となくよく起こるトラブル、PMSではありませんか。
実は、PMSの診断に医師の力は要りません。
PMSは「日々の症状を自分で実際に記録してみて、1つ以上の症状が月経前に現れ、月経開始後に軽くなっていくというパターンが2周期以上確認できた」場合に診断されます。
つまり、何か特別な検査が必要なわけではありません。ただ、記録をつけることによって、その症状が本当に月経前に起こっているのか、をきちんと確認することが正しい診断につながります。
そこで、おすすめしたいのが、月経周期を記録すること。そして、気になる症状もあわせて記録することです。
生理のミカタというサイトでは、PMSの症状を記録しやすいシートをダウンロードすることができます。→PMS症状日記
月経周期を記録できるアプリを活用してもよいでしょう。
月経周期にあわせた対策をとる
月経周期を記録して、PMSだろうと判断できても、症状記録はやめないでください。
PMS対策にも活用しなくてはもったいないからです。
自分の月経周期を把握したら、それに沿った生活の工夫をしてみましょう。
- つらい時期には、無理はしない
- スケジュールを調整しておく
- 仕事、家事なども、負担を制限する
これらの対策は、自分の月経周期がわかってこそ、力を発揮してくれます。
そのうえで、生活習慣も見直していきましょう。
ふだんから、規則正しい生活を心がけていますか。ストレスをためないために、何かしていることはありますか。
コニカミノルタのMICHICAKEというサイトでは、PMSへの対処方法について丁寧に紹介されています。
さまざまな症状に対する対策が分かりやすいPMSお悩み相談室のコーナーは必読です!
ワーク”サイクル”バランスを整える、とは?
ここでのワークは、お仕事に限りません。生活全般に目を向けてみましょう。
自分にとって、カラダとココロに負担がかかることを自覚することも大切です。一度洗い出してみましょう。
”サイクル”とは、月経周期のことです。
月経周期に伴う症状があれば、それがカラダやココロに負担をかけているかもしれません。
これらの負担がなるべく偏らないように、つらい時期に大変なことが重ならないように、日々の暮らしで工夫をしてみましょう。
まずは、自分でできる範囲のことから。
可能なかぎり、周りの人の協力もあおいで。
必要なら、プロの力も借りて。
これをワーク”サイクル”バランスと呼んでみました。
「”サイクル”のせいでつらかったんだ」「よく頑張ってきたね」と自分をねぎらってあげましょう。
「”サイクル”に対して、できることがあるんだ」と認識しましょう。
そして、自分が「心地よい」と思える取り組みを、できる範囲で続けましょう。
ワーク”サイクル”バランスを整えて、より健やかな毎日を過ごしましょう。
それが、自分にしかできないテイラーメイドの対策になります。
「女性のからだのワーク」での気づき
- 月経に関するトラブルについて、がまんしている女性が少なくないこと。「こんなものだろう」と放置していることもあること。
- 残念なことですが、トラブルを自覚して対策をとることが当たり前になったら、もっと多くの女性が楽になるということですよね。
- 親にも、家族にも、友達にも、もちろん職場なんかで話さない、話せない。相談できない。
- 「他人にドンドン話しましょう」というわけではありません。でも、必要なときには説明して、協力してもらいましょう。そのために必要な、社会全体の理解は、私たちの課題として取り組んでいきます。
- 悩みを共有したら、他人に話を聞いてもらえたら、それだけでも楽になれる。
- 今回、自分の症状がPMSである可能性に気づいた方、自分のつらさを人前で話した方、それだけでも顔がスッキリされていました。「女性のからだのワーク」のような場の大切さを再認識しました。
ワークライフバランスを考えるとき、まずあなた自身のワーク”サイクル”バランスについて見直してみませんか。
新たな気づきが、あなたを楽にしてくれるかもしれません。