帯状疱疹の予防には、WHOに認められた日本発のワクチンを!

第4回LOVEAging講座で受けた質問に対する回答として、帯状疱疹予防ワクチンについてお話します。

帯状疱疹って、どんな病気?

帯状疱疹の原因は、水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)です。VZVは、初めて感染した時には水痘(みずぼうそう)になります。この時に、ウイルスが発疹から神経を伝わって背骨の中にある後根神経節内に潜伏します。潜伏感染していたウイルスが、何らかの誘因で再活性化して発症するのが帯状疱疹です。

Wikipedia”帯状疱疹”より引用

誘因として、過労やストレス、免疫機能の低下、手術などの治療などがあげられます。ウイルスが再活性化されると神経節内で増殖し、知覚神経を通って表皮に達し、写真のような赤い丘疹や水疱が帯状に出現します。他のヒトから感染して帯状疱疹になるわけではありません。

宮崎県における調査によると、80歳までに3人に1人という高頻度で発症すると推定されています。帯状疱疹は、疱疹が出た後に神経痛(疱疹後神経痛)が残ることもあり、生活の質(QOL)を著しく低下させます。

帯状疱疹予防ワクチン=水痘ワクチン

帯状疱疹は、早期に治療をすれば重症化を防ぐことができますが、抜本的にはワクチンによる制御が重要です。日本では2004年から接種対象者が 段階的にひろがり、2016年からは50歳以上の方を対象に帯状疱疹を予防する目的で水痘ワクチンを接種することができるようになりました。ワクチンの接種により、帯状疱疹の発症率を減らし、重症化を予防するとともに、 間接的に疱疹後神経痛の発症リスクも減らすことができます。

なぜ、最近になって帯状疱疹の予防が急務となったのでしょうか。実は、水痘のワクチンが定期接種化したことと関係があります。

2014年から、小児に対する水痘ワクチンが定期接種になりました。1歳から3歳までの間に2回ワクチンを接種することで、軽症例も含めてほぼ完全に予防できるようになります。実際、2015年以降水痘患者数は激減しています。
今後、水痘の流行がなくなるため、私たちがVZVに曝露される機会が減少し、自然感染によって維持されていたVZVに対する免疫力が弱ってくると考えられています。また、高齢化の進行も帯状疱疹患者が増える一因と言えるでしょう。

水痘ワクチンのトリビア=日本発!

水痘予防のための弱毒生水痘ワクチン(Oka株)は、1974年に日本で開発され、1985年に世界保健機関(WHO)から弱毒生水痘ワクチンとして最も望ましい株であると認められました。
そして、現在世界中で使用されている水痘ワクチンは、すべてOka株がもとになったワクチンです。

せっかく日本で開発したにもかかわらず、水痘ワクチンは長年にわたり任意接種であったため、日本での水痘流行を抑制するには至っていませんでした。
一方、米国では既に1996年から本ワクチンの定期接種化が始まり、その有効性が多数報告されてきました。
日本においても、2014年から定期接種となり、既にその効果が表れています。

まとめ

帯状疱疹を予防するためのワクチンがあります。

日本では、2014年から水痘の定期接種が始まっています。定期接種の対象となっているお子さんは、定期接種を受けましょう。
ワクチンの接種を実施する場所などの詳細については、お住まいの市町村にお問い合わせください。

水痘の定期接種のおかげで、水痘に感染する人が激減しています。
自然に補強されてきた免疫力が落ちる可能性があるため、水痘にかかったことがある方は帯状疱疹になるリスクが上がるかもしれません。

予防のためにワクチンを接種する場合、70歳代よりも60歳代の方が効果が期待できそうです。
もし、水痘にかかったことがあり、まだ帯状疱疹になったことがない方がいれば、60歳代までの元気なうちにワクチンを接種することをお勧めします。

なお、将来的に水痘に感染する人がほとんどいなくなれば、帯状疱疹の心配もなくなっていくでしょう。

参考文献

国立感染症予防研究所のIASR Vol. 39 p129-130: 2018年8月号

厚生労働省の水痘に関するページ