小学生低学年を対象に、「いのち・からだのおはなし」をしました

woman reading a book to the children

7月29日、丹波篠山市のおとわの森子育てママフィールドで、小学校1~3年生を対象とした性教育講座をしました。
おとわの森子育てママフィールドは、こども園の跡地を利用した子育て支援施設です。園庭は芝生!子どもさんが楽しめるおもちゃや設備も整った、心地よい空間でした。

いのち・からだのお話は5歳ごろから

包括的性教育では、性教育の開始は5歳ごろからとされています。
家族のこと、からだのこと、赤ちゃんができるまでの話など、お子さんが理解できる内容を理解できる方法で、段階的にお話していくのがいいでしょう。

そこで今回は、「いのち・からだのおはなし」と題して、いのちのはじまりや自分たちのからだについてお話をしました。

いのちのはじまりから、赤ちゃんが産まれてくるまで

お話は、「いのちって何だろう?」という問いから始まります。
「お人形にはいのちがある?」「オニヤンマには?」
質問を重ねていくと、最初は首をかしげていたお子さんたちも、「いのちがあるってことは、生きていること」と答えてくれます。

「では、私たち人間のはじまりは?」
赤ちゃんの大きさや重さを人形を使って体感してもらうと、歓声があがります。
「重たい!」「軽い!」
赤ちゃんの人形をそろそろと抱きかかえるお子さんたちの表情は、とても生き生きとして可愛らしいです。

「赤ちゃんはどこで大きくなったのかな?」
「お母さんのおなか!」
妹さんがいる子は、すぐに答えてくれました。

いのちのはじまりは、とても小さな受精卵であること。その受精卵は、赤ちゃんになるまで、子宮の中で育つこと。子宮の中で赤ちゃんを育てることを妊娠ということ。そして、赤ちゃんは、股の間から産まれてくること。
赤ちゃんの人形についている、へその緒や羊膜の模型も使いながら説明していきます。

からだを大切にしよう

続いて、いのちにつながるからだの部分について、お話を進めていきます。
心臓、肺、胃や腸。私たちが生きていくためには、いろいろな臓器が休まず働いてくれています。
これらの臓器のはたらきを簡単に説明していきます。

続いて、新しいいのちをつくるための部分の説明に移ります。
「からだのどの辺りにあるかな?」
お子さんたちが、思い思いの場所を指さします。
「子宮のそばの下の方にありますよ。男の人と女の人で違う場所はどこだろう?」
と言うと、「おちんちん!」という声が上がります。

男の子はおちんちんの後ろの袋の中、女の子はお腹の中にあります。精巣・卵巣という名前もさっと紹介します。
「あたらしいいのちができるもとをつくるところなので、とても大切なところですよ」
という説明も、うなずきながら聞いてくれました。「プライベートゾーン」という呼び方も伝えます。

最後は、からだを守ることについて。
「けがをしない」「交通事故にあわない」
からだを守るために必要なこと、いろいろ答えてくれました。

私からのメッセージは、この3つ。

  • きれいにする
  • よく食べる、よくねる
  • あぶないものから守る

そして、みんなの答えは「あぶないものから守る」に当てはまるね、と確認したうえで、プライベートゾーンの守りかたについて解説しました。

みんなが大切なひと

プライベートゾーンの守りかたは、

  • 「してもいい?」と聞く
  • 「いいよ」「だめ」と答える
  • 嫌だと思ったら逃げる

の3つ。(性的)同意の大切さを伝えることになります。

最後は、男・女、大人・子どもでちがうところをたくさん挙げてもらったうえで、それぞれの違いを超えたところで同じことがあるとお話ししました。

それは、みんなが大切な人であること。
だから、みんなが大切にされるために、プライベートゾーンは自分だけでなくお友だちも同じように守られなくてはいけないよ、とお話を締めくくりました。

最後に

性教育は、「性」のもつプライベート性もあって、恥ずかしい・難しいと考えられがちです。

しかし、生殖も、呼吸や消化と同じように、人間の生物としてのはたらきのひとつです。それをフラットに並べて解説すると、子どもたちも素直に聞いてくれます。
そのうえで、お子さんの成長に合わせて、第二次性徴や生殖だけではない「性」についても伝えていくとよいでしょう。

今回は対象年齢も限定的で、またお話しできたテーマは、包括的性教育で示されている内容の一部でしかありません。
家族のこと、いろいろな家族のかたち。ジェンダーについて。…。
これからも、いろいろな年代の方に、さまざまな形で、「性」と「生殖」についてお伝えしていきたいと考えています。