子宮がん検診を受けましょう

今日から数回に分けて、9月7日にWACCAで開催した「女性のからだのワーク」で取り上げた話題を共有していきます。参加された方も、そうでない方も、チェックしてみてください。

子宮がんと子宮がん検診の種類

子宮がんには、主に子宮頸癌と子宮体癌の2種類のがんができます。他に、子宮肉腫などのまれながんもできることがあります。
一般的に「子宮がん検診」として実施されるがん検診は、子宮頸がんを対象としています。厚生労働省は、「がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針」において、対象者は20歳以上の女性、実施回数は2年に1回と定めています。(自治体によって、受診対象者や受診のしかたが少し異なることがあります。お住まいの市町村に問い合わせてみましょう。)

一方、子宮体がん検診については、閉経後の不正出血などの疑わしい症状がある方に実施します。気になる症状がある方は、婦人科を受診して相談なさってください。

子宮頸がんとは

子宮

子宮下部の管状の部分を子宮頸部とよび、ここにできるがんが子宮頸がんです。
日本では、毎年およそ10000人の女性が子宮頸がんにかかり、およそ3000人の女性が亡くなっています。
残念ながら、最近、患者数も死亡率も増加しています。また、発症のピークが30歳代後半と、若い女性でも発症することが少なくありません。

子宮頸がんの多くは、ヒトパピローマウイルスというウイルスの感染が原因であることが分かってきました。
このウイルスは、性交経験がある女性のほとんどが感染すると言われるくらい、ごくありふれたウイルスです。ヒトパピローマウイルスに感染してもがんを発症するのはわずかですが、誰にでも子宮頸がんのリスクがあると考えておきましょう。

早期発見・早期治療が大切

子宮頸がんは、その進行具合によって治療が異なります。
早期に見つけることができれば、子宮を残し、子宮頸部の一部だけを切除する子宮頸部円錐切除術という治療を行います。将来、妊娠・出産が可能です。
進行すると、子宮や卵巣などを広範囲に切除する根治術が選択されます。更に進行すると、手術以外の治療が行われます。大きな手術や抗がん剤などの治療は、円錐切除術にくらべて重篤な後遺症や副作用が出ることがあります。

また、早期に治療ができると治癒率も高くなりますが、進行がんでは再発率も死亡率も高くなってしまいます。

子宮頸がんは、がん検診で死亡率を減らすことができることが科学的に証明されたがんのひとつです。早期に発見し、早期に治療を受けられるように、継続して子宮頸がん検診を受けましょう。

子宮頸がん検診は怖くない

子宮頸がん検診では細胞診という検査を行います。腟の中に腟鏡という器具を入れ、子宮の入口を小さなブラシでこすって細胞をとります。多くの場合、子宮の大きさなどを確認する内診も一緒に行います。
この検査に必要な時間は長くても数分程度、本当に短時間です。検査前の絶食も必要ありません。検査の後に少量出血することがありますが、痛みもほとんどありません。

婦人科の診察は、誰でも気が進みませんよね。
でも、受診しようというあなたの勇気が、早期発見につながります。がんではないという安心感につながります。
この2年間、婦人科にご縁がなかったあなた、一度子宮頸がん検診を受けに行きましょう。